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老天使の歌声

ジミー・スコットというジャズシンガーがいる。
1925年7月生まれ、今年で78歳になる。
ジミー・スコットをはじめて知ったのは、
4年ほど前の京都のCDショップだった。
店員さんが書くPOPに「老天使の歌声」と書いてある。
聞いたこともないアーティストのCDを
ジャケットのデザインだけで買ってしまうクセがある私は、
そのPOPにつられて[Dream][Heaven]という大胆なタイトルのCDを2枚買った。
ジミー・スコットは、遺伝的な病気で成長ホルモンに障害があった。背が小さく変声期もなかったため、大人になっても体つきも声も少年のようだった。
若くして、シンガーとしての才能が認められ、デビューを果たしたが、彼の特異な体質と当時のアメリカ音楽業界のヤクザ性が相まって、長年不遇の身に。音楽から離れ、ホテルの荷物係をしながら生活していた時期もあったようだ。
そして、空白の時間をへて、カムバックを果たした。
3年前、彼は初来日した。
大阪の中規模のライブハウスに登場した彼は、
「歌うことこそ、私そのもの」をいう確信を全身で表現していた。
小さくて折れそうな身体を、叱咤しながら、全力で走り続けている感じだ。でも、その声には悲しみを秘めている。
人生を取り巻く様々なものを乗り越えてきた彼は、幼稚な私たちの背中を静かに押しているようだった。
メソンのダイニングには、5連奏CDプレーヤーからいつも音楽が流れている。5枚の組み合わせは、そのときの気分によって様々に入れ代わるが、そのうち1枚は必ずジミー・スコットが入っている。
by mesonbox1 | 2003-01-22 17:58