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「こだわり」にこだわる。

c0047201_940692.jpg食材にこだわる。インテリアにこだわる。こだわりの暮らし…。
「こだわる」という言葉は、選択のセンスや努力を表現する言葉として使われる。
でも本来の意味は、辞書によれば「ちょっとしたことを必要以上に気にする」こと。
今、こんな意味で使う機会は少なくなっている。

以前、レストランにお越しいただいた方から、「『こだわり滋賀ネットワーク』の会員になりませんか?」とお誘いいただいた。
自然環境と農業生産者への負荷を軽減した生産方法・生産物を広げ、
食の安全も推進しようというような主旨のもの。
上記の主旨で生産されたものは、
滋賀県によって「環境こだわり農産物」として認証される。
レストランを[田園のテーブル]と名付けたコンセプトとも共通するので、
加入させていただいていた。


お店にとって「こだわる」ってことは、お店のポリシーの表現であるとともに、
他のお店との差別化を意味する。
つまりある意味、希有でマイナーな存在であり続ける意志表明なのだ。
個人の暮らしにとっての「こだわる」も、
他の誰とも違うオリジナルな暮らしであり続ける努力だ。

でも『こだわり滋賀ネットワーク』の「こだわり」は、
マイナーでオリジナルな存在であり続けてはいけない。
この「ネットワーク」は「こだわり」が農業生産のメジャーになり、
すべての農家、すべての消費者が選択する「こだわり」になるための組織だからだ。
とんちのような話だが、「こだわる」という手段をつかって
「こだわらない」状態にすることを目的にするという、
実はかなりややこしい矛盾をはらんだネーミングなのだ。

会員になってから、2年ほど経つのだろうか。
活動のご案内などをいただき、
講演会に数回おじゃまさせていただいた程度の会員だ。
新しい風を入れて様々な事業にアドバイスをという主旨で、
先日会員にむけて「幹事になりませんか?」というお知らせが届いた。
幹事の半数以上は「関係組織の代表者」とある。
「ネットワーク」が社会的影響力を持とうとするとき、
大きな組織を仲間にすることは、最もスピードが早い方法だろう。
その中に、組織を持たず、
オリジナルな存在でありつづけることだけを考えてきた僕のような存在がいることは、多少意味があることかもしれない。
「21世紀型の快適エコ生活の基本は『食と農と環境』です」という
大きなテーマに、お役にたてたらと願う。
by mesonbox1 | 2007-04-13 11:27