幸せのポトフ。

現在のオーベルジュメソンの、朝食のメインはポトフ。

素材は、こんな構成だ。
大根、人参、ジャガイモ、ブロッコリー、卵、ソーセージ。

野菜はすべて「面取り」されている。

卵はポーチ・ド・エッグに。
若干の酢をいれたお湯で、作られる。

大根・ブロッコリー・ジャガイモ・人参は、
それぞれ塩分などの濃度が違うお湯でボイル。


つまり、素材はすべて別ゆでされている。
それぞれの「うまみ」を引き出すための、浸透圧がちがうのだ。

最後は、コンソメスープで温められ、朝食として供される。


実は、ポトフにこんな手間がかけられていることに、
シェフ以外のスタッフが知ったのは、つい最近のこと。

この人の、座右の銘は「料理に言葉はいらない」なのだ。



メソンの朝食がポトフに変わったのは、
すい炎で、「油分を極力おさえた食事を」とオーダーをされた、
あるご夫婦のご予約がきっかけだった。

バターや生クリーム、オリーブオイルで成立するといっても過言でないフレンチで、
「油分抜きで」というオーダーは対応がむずかしい。

「ならば野菜中心で」という発想が、「ポトフ」につながる。
その日の朝食、そのご夫婦にだけポトフが供された。
メソンで初めてのポトフに、ご夫婦は感嘆の声を上げられた。


「健康的であること」という要素が、現代の料理に強く求められる。
その意味で、とても現代的な朝食となったポトフは、
翌日からすべてのお客様に供される朝食となった。


シェフのモチベーションは
「幸せな時間のためのあったかい料理」という想いが支えている。

オーベルジュメソンの一皿一皿は、
静かに静かに作り続けられていく。













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by mesonbox1 | 2016-01-19 17:27