「ものさしさん」の話。

80歳を越えた両親に会いに、ときどき愛知県の実家に帰る。


最近母が、それまで聞いたことのない話をするようになった。

探し物が見つからないとき、「ものさしさん」にお願いすると、
不思議と出てくるんだと。

指差す方向をみると、実家のダイニングのカーテンの上に、
長い物差しが立っている。


いっしょに暮らしていたのは、ぼくが大学に入学するまでだが、
それまで母親の口から「ものさしさん」の話を聞いたことがなかった。
母親としてはとても強い人で、
「不確かなもの」に頼るような感じがなかったので、
この話を聞いたとき、とても不思議な感じだった。

もしかすると「ぼけ」の程度を象徴することなのかとも思ったが、どうも違う。


とても確信的に話をするので、ぼくも真に受けることにした。
ウチに帰ってから、子どもたちに「ものさしさん」の話をした。

いろんなものが行方不明になるウチだったので、
子どもたちは興味深げだ。



先日、子どもたちを連れて実家に帰った。
そのとき母親から直接、「ものさしさん」の話をしてもらった。



今日は、長女が登校直前、
「体操服はどこ?」「コートはどこ?」と言いだした。

いつもなら、見つからないままダッシュしていくのだが、
今日はヨメが「あれはあそこ。これはそこ」と手際がいい。

ぼくが「今日はどうしたんだ?」と驚くほどのことなのだ。


子どもたちが出かけていき、家の中が落ち着くと、
ヨメが「あっ、ものさしさんがある」と。
リビングに棚の上に30センチの竹のものさしが立っている。

きっと長女が立てたものだろう。


今日の手際のよさは、そのおかげだったのか……。


せっかくの「おかげ」なのに、
長女は途中で忘れ物を思い出してもどってきたため、
遅刻したというちょっと残念な形で、彼女の新年は始まったのだった(笑)。






今年も、こんなブログを続けていきます。
更新頻度は低いですが、こんな感じで10年続けてきました。
中には、楽しみにお待ちいただいている方もいらっしゃるよう。


これからも気まぐれにお付き合いいただければ、幸いです。
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by mesonbox1 | 2013-01-08 18:50