呼んでいる仕事。

実は、この年齢にして「仕事ってなんだろう?」
「自分に合った仕事ってなんだろう?」なんて、
いまだに考えることがある。



大学卒業を前にして、いくつかの進路候補があった。
学校の教員、陶芸家、生活協同組合、劇団員。
一見するとこの4つの候補には、なんの脈略もなさそうだが、
ぼくのなかには、共通するそれなりの理屈があった。

「来てもいいよ」といってもらった進路先もあったが、
結局どれにも決めることなく、卒業してしまった。


最初に正規に雇ってもらえたのは、卒業前からアルバイトしていた職場。
その後、一度転職した後、今の自営となる。


そんなぼくにとって、刺激的な文章に立て続けに出会った。
内田樹さんの「仕事力について」
http://blog.tatsuru.com/2012/05/02_0959.php
もう一つは、
ほぼ日刊イトイ新聞の「糸井さん、僕を『面接』してください。」
http://www.1101.com/mensetsu/2012-04-20.html


後者の「面接」は、「コーヒーを淹れる」ことを大切にしてきた就活中の学生が、
会社にその「大切にしてきたこと」を受け入れてもらえない、というお話。
ちょっと、奇異な感じに受け取られるかもしれないが、
当時のぼくによく似ていると思った。

自分にとって大切にしてきたことが、
社会の中でどんな仕事に変換したらいいのかに、戸惑いがあったのだ。


そんなぼくに、目からウロコだったのが、「仕事力について」の中のこんな例えだ。

  歯科医によると、世の中には「入れ歯が合う人」と
  「合わない人」がいるそうです。
  合う人は作ってもらった入れ歯が一発で合う。
  合わない人はいくら作り直しても合わない。
  別に口蓋の形状に違いがあるわけではありません。
  自分の本来の歯があった時の感覚が「自然」で、
  それと違う状態は全部「不自然」だから嫌だという人は、
  何度やっても合わない。
  それに対して「歯がなくなった」という現実を涼しく受け入れた人は
  「入れ歯」という新しい状況にも自然に適応できる。
  多少の違和感は許容範囲。あとは自分で工夫して合わせればいい。

つまり

  仕事というのは自分で選ぶものではなく、
  仕事の方から呼ばれるものだと僕は考えています。
  「天職」のことを英語では「コーリング(calling)」とか「
  ヴォケーション(vocation)」と言いますが、
  どちらも原義は「呼ばれること」です。
  僕たちは、自分にどんな適性や潜在能力があるかを知らない。
  でも、「この仕事をやってください」と頼まれることがある。
  あなたが頼まれた仕事があなたを呼んでいる仕事なのだ。



昨日ブライダルの専門学校に通う、女の子と話をしていた。
「どうしてその道へ進もうと考えた?」

「私の笑顔が家族を幸せにしてるって思ったんです。
 そんな人を幸せにできる笑顔に、たくさん出会えたらいいなって思って」


こんな女の子にとって、これから出会う仕事が、素敵なものでありますように。
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by mesonbox1 | 2012-05-06 13:35