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メソンのコーヒーにも、それなりの苦悩があるんです。

c0047201_17503971.jpg私たちがお店を始める以前から、喫茶店やレストランで飲むコーヒーの味には不満があった。「どうしてどこも似通った味で、おいしくないんだろう?」
そんな中で驚くほど美味しい(もちろん私にとって)コーヒーを出すお店があった。神戸のコーヒー専門店で飲んだ「ブラジルサントス」という豆のストレートのコーヒーだった。

メソンをスタートさせて、私たちがコーヒーをお客様にお飲みいただく側に回ったとき、「コーヒー問題」をどう解決したらいいのかずいぶん迷った。
多くの店は大手のコーヒー会社から焙煎済みの豆を取り寄せる。私たちもずいぶんサンプルを取り寄せ(小売店で売られているものも含め)試飲してみたが、どうしてこれが堂々と商品化されているのかわからないような出来のものばかりだった。
それでもお出ししなければならないので、その時々に「一番マシ」なものを選んで提供してきた。
当然のことながら「このコーヒー、おいしいですねー」なんて反応は、皆無だった。
多くのお店と同じことをしているだけだから、当然のことだ。

ところが、この2週間ほど「コーヒーがおいしいですねー」という反応をいただく。
「ブラジルサントス」の生豆を取り寄せ、メソンで焙煎を始めたのと同時期だ。

実は自家焙煎に挑戦をはじめたのは、ちょうど1年前。
何回も試行を重ね「ビギナーズラック」も手伝ってか、本当においしいコーヒーをお出しできたという自負もあった。
ところがどうしても焙煎加減にムラがでてしまうのだ。その加減が少しでもブレると極端に味が落ちてしまう。おおげさにいえばスランプに陥って、市販のコーヒーの方がマシな状態になり、断念してしまったのだ。
生豆を仕入れている業者さんによれば「この豆は表面の変化が少なく、苦みと甘味がバランス良く出るポイントの幅が狭いため、安定した味を出すのが難しい豆だ」というのだ。

春が近づき、様々なリニューアルに取り組みだしたついでに、コーヒーのリニューアルにもう一度挑戦してみようという気が起きてきた。
リニューアルしたのは豆だけではない。
一つは水。これまでメソンの水は、この一帯だけの地下水を使った簡易水道だった。
甘みがあり柔らかなおいしい水だった。ところが、事情があって町の上水道に切り替わった。カルキ臭のある普通の水道水だ。安全性も気になったので、アメリカのメーカーの浄水器を通すことにした。実はこの浄水器、単に塩素を除去するだけでなく、水道管から混入する鉛や発ガン物質などを除去する上、ウイルスやカビなども不活性化させる。なのに、うま味成分であるミネラルは除去しないという、日本のメーカーのものとは雲泥の差がある性能をもつすぐれものだ。
もう一つはコーヒーメーカーだ。
どんなに忙しい時にも味を安定させるためだが、これも同じメーカーのもの。湧かしたお湯が螺旋状に落ちていき、温度管理、蒸らし時間やお湯を落としていくタイミングが良くできているのだ。

つまり、今のコーヒーの味は、豆・水・メーカー、3つのバランスの上に成立している。この中で不安定な要素は豆の煎り。焙煎時の豆の色と煙のにおいだけが頼りで、経験を積むことによって味を安定させることができるかどうかにかかっている。
by mesonbox1 | 2005-03-22 17:55