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『出逢い』という言葉。

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ある方の紹介で、「書道詩人 てらきち」さんがメソンにやってきた。
スーペリアルームのふすまに、書を書いてもらうためだ。

お気に入りの音楽をかけながら、目を閉じる。
頭に浮かんだ(降りてきた?)言葉を、
利き腕ではない手で書き上げていく。

書かれた文字は「出逢い」と「花」。



実はこの「出逢い」って言葉、少し前にぼくの頭にも浮かんでいた言葉だった。



あるご夫婦がご宿泊にいらっしゃった。
(前々回のブログに書かせていただいたお客様です。)
「どうしてメソンに?」とうかがうと、
「妻が大病して、退院したばかり。気分転換にどこかへいこうと。
でも遠くだと疲れてしまう。近くでゆっくりしようと」。
映画「おくりびと」のDVDを持ち込まれて、
お部屋でご覧になってもいたようだ。

人が泊りがけでどこかへ出かけようとするとき、
ほとんど何かの動機がある。
それは、そのご夫婦、あるいはご家族、友人だけがもつ物語の中から生み出されたものだ。


私たちのような仕事は、「一期一会」とか「出逢い」という言葉を使い、
だからこそのおもてなしをしようと心がけたりする。

でもそのご夫婦のお話をうかがっていて、
わたしたちが「出逢い」という言葉を使うことは、
実におこがましいことだと思った。

さまざまな物語を背負った方々に、心地いい場と時間を提供すること。
そのことに徹することこそ私たちの仕事だと。
決して「出逢い」ではないのだ。



なのに「てらきち」さんは「出逢い」と書いた。
このタイミングで、彼は「出逢い」という言葉に出逢わせたのだ。

この意味をしばらく考えてみたい。
by mesonbox1 | 2009-04-09 08:18