Meson Mail

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冬は飽きた。

こんなところにいると、
本当に春の到来が待ち遠しい。
落葉樹が中心の雑木林は
冬にはどうしようもなく殺風景になる。
この時期メソンを訪れるお客さんには
「春には緑がきれいなんですけど」などと、
つい言い訳をしてしまう。
でもがっかりするほどの殺風景ゆえに、
初春の緑のいきいきとした美しさは格別。
顔がニンマリしてしまうほどだ。
またその頃は様々な山菜も顔を出す。
毎日、てんぷらやあえものが食卓にのぼる。
この時期散歩に出かけると、
枝の先端に目がいく。
若い枝がすごい勢いで伸びていたり、
緑の葉に成長していく芽が少しずつ膨らんでいるのだ。
季節は、ようやく春の気配が感じさせはじめた。
早く春が来てほしい。
もうこの景色には飽き飽きだ!
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# by mesonbox1 | 2003-02-08 17:54

夢のなる木

無医村なんて他人事だと思っていた。
でも、私が住む滋賀県湖西地域は、ある意味「無医村状態」だったのだ。
その人のところを訪れたのは、やっぱり散歩の途中だった。
そこは、「夢の木」という精神障害者のグループホーム、授産施設だ。その人は、3年ほど前から施設を提供し、運営している。
「今でもここはその分野では無医村の状態のまま。外来はあるが、入院できないので、ほとんど意味をもってない」と。
湖西地域は精神障害者向けの施設もなく、精神障害者もその家族も閉じこもらざるを得ないという。
その人のもっぱらの仕事は、本人と家族を閉じこもった状況から、外へ引き剥がすこと。もう一つは無策の自治体相手に、教え導くことだという。
その人は以前、病院に勤務していたが、
精神障害者への「治療」というアプローチに限界を感じ、
理想を求めて、比良にたどりついた。
森の中で過ごすこと、自然を相手に仕事をすることに、
症状の改善や自立へのステップの大きな可能性を見い出しているという。
今年の冬は記録的な低温が続いたが、
その施設は大きな暖炉があり、本当に暖かい。
明るい光もさしこみ、ゆったりと時間が流れる。
強い意志でここまでたどりついた、
その人そのものが表れた建物だ。
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# by mesonbox1 | 2003-02-01 17:55

幸せという言葉

「しややしぇ」
「エッ」
「しややしぇ」
「…、しあわせ…、か?」
(コクリとうなずく)
娘2人を寝かし付けるために、
ふとんに入って絵本を読んでいたときの、
下の娘(2歳)とのやりとりだ。
「くすぐったい」という表現を
「はじゅかしい」という娘のことだから
「しややしぇ」という言葉に、
どんな意味を込めたのか真意はわからない。
ちょっと恥ずかしいが、
大学時代は「幸せってなんだろう?」ということを、
知りたいと思い続けた4年間だった。
そのために、様々な本を読みちらかした。
哲人たちは、いろいろなことを語っていたが、
結局しっくりくる結論がでないまま卒業してしまい、
慌ただしい生活に紛れ込んでしまった。
彼女の言葉を聞いたとき、
自分という存在が少しは人の幸せに役にたっているのかもしれない、と思った。
ちょっとジーンときた。
私たちはいま、「幸せ」という言葉の周辺で、
仕事をしている。
しかしいまだ、納得できる仕事ができている、とはいえない。
だからこそ、どうすればその水準をあげることができるか、
挑戦し続ける。
「幸せ」という感動を共有できる仕事が、
常に提供できるようでありたいと願う。
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# by mesonbox1 | 2003-01-27 17:57

老天使の歌声

ジミー・スコットというジャズシンガーがいる。
1925年7月生まれ、今年で78歳になる。
ジミー・スコットをはじめて知ったのは、
4年ほど前の京都のCDショップだった。
店員さんが書くPOPに「老天使の歌声」と書いてある。
聞いたこともないアーティストのCDを
ジャケットのデザインだけで買ってしまうクセがある私は、
そのPOPにつられて[Dream][Heaven]という大胆なタイトルのCDを2枚買った。
ジミー・スコットは、遺伝的な病気で成長ホルモンに障害があった。背が小さく変声期もなかったため、大人になっても体つきも声も少年のようだった。
若くして、シンガーとしての才能が認められ、デビューを果たしたが、彼の特異な体質と当時のアメリカ音楽業界のヤクザ性が相まって、長年不遇の身に。音楽から離れ、ホテルの荷物係をしながら生活していた時期もあったようだ。
そして、空白の時間をへて、カムバックを果たした。
3年前、彼は初来日した。
大阪の中規模のライブハウスに登場した彼は、
「歌うことこそ、私そのもの」をいう確信を全身で表現していた。
小さくて折れそうな身体を、叱咤しながら、全力で走り続けている感じだ。でも、その声には悲しみを秘めている。
人生を取り巻く様々なものを乗り越えてきた彼は、幼稚な私たちの背中を静かに押しているようだった。
メソンのダイニングには、5連奏CDプレーヤーからいつも音楽が流れている。5枚の組み合わせは、そのときの気分によって様々に入れ代わるが、そのうち1枚は必ずジミー・スコットが入っている。
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# by mesonbox1 | 2003-01-22 17:58

違和感

自分の身体に違和感を感じる、そんなときがたまにある。
「病気」という意味ではなく、自分がいる「ある状況」が生理的に受け入れられないという反応がでてくるという感じなのだ。誰にでもある感覚なのかどうかはよくわからない。
私は、そんな予感を感じることが予想できるときには、事前に避けることにしている。でも、その時は予想に反して、生理的嫌悪感を強く感じることに遭遇してしまった。
ある結婚式場でブライダルフェアが開かれた。
模擬結婚式で、真面目な顔をして牧師が語り、フェアに訪れたお客様が神妙な顔をしてその様子を見ている。チャペルを出ると、庭にはバルーンと白い鳩が解き放たれるのを待っている。パーティー会場では、外国人シンガーが出番の準備だ。その世界にいる人たちには、見慣れた景色だった。
「ん〜!?」
身体が強い違和感を感じ、この場にいることを拒否し始めた。
このフェアを訪れて数分後には、会場の外にいた。
この式場はそのエリアでは非常に人気の高い施設だと聞く。
ブライダル業界は結婚組数の減少という社会現象を目の前にして、生き残りのため、様々なハードを建設し、あれやこれやの演出を凝らす。「ゴンドラにドライアイス」なんていう、今や笑い話にしかならない演出が、形を変えて今もたくさん存在する。
結婚をしようとするお二人が、望むのならそれでいいのかもしれない。
でも式やパーティには招待したゲストがいる。その人たちとともに過ごす時間が、そんな演出の羅列でいいのかと思う。
ゲストは、新郎あるいは新婦がどんな人なのか知りたいと思う。また、二人の喜びを一緒に分かち合いたいと願う。そのために、お金と時間をさいて、パーティにご出席いただいているのだ。大切なのはミョーな演出を媒介させないで、お二人とゲストとの語らいの時間をきちんとつくることなのだと思う。
式場側は、ゆったりとリラックスした時間がそこに流れるようにサポートすればいいのだと心から思う。
メソンがウェディングに取り組むポリシーは、そこにある。
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# by mesonbox1 | 2003-01-20 17:59

近所のおっちゃん

「あのおじさん、山ほど猪をとってるらしい」
そんな話を聞いたのは11月頃だった。
その人の住む家は、メソンから直線距離にして50メートルほど。でも、お名前もわからないまま、散歩の時に顔をあわせれば、ごあいさつする程度だった。
なんとか新鮮な猪肉を手に入れたいと思っていた我々は、散歩のついでに訪ねると、そのおじさんは車に乗ってお帰りになったところだ。
「ちょうど70キロぐらいのが車に乗ってますよ」
中を見せてもらうと、頭部が血だらけになった猪が横たわったいる。が、すぐにさばかず、冷やすために一日おいておくという。
聞けば去年の秋から檻を仕掛けるという手法で、6〜70頭ほど捕まえているらしい。
「えっ、ベテランじゃないよ。去年の秋から始めたところだし」
不作の猟師のところへも肉を分けているという。
「鹿も檻に入ってしまう」と冷凍庫には鹿肉も眠っている。
その日夕方遊びにきた友人に、[ぼたん鍋]と[鹿肉のさしみ]をふるまった。
メニューにのらない料理として、近い将来お客さまの口に入ることもあるかもしれない。
おじさんが檻を仕掛けるのは、自宅から半径数百メートル範囲。
メソンはそんなところにある。
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# by mesonbox1 | 2003-01-15 18:00

人と森のいいかげん

今年10月、滋賀県マキノ町で「全国雑木林会議」が開催される。
雑木林や里山保全に取り組むNPOやNGOの活動交流とともに、地域住民向けのセミナーやワークショップを行なうというものだ。
マキノ大会で11回目を迎えるという、実績のある会議らしい。
「らしい」というのはつい最近まで、私自身がこの会議の存在すら知らなかった。しかし、ひょんなことで実行委員会のメンバーに加えていただいたというだけのことなのだ。
メソンがある滋賀県湖西地域は、南北に雑木林が連なっている。しかし御多分にもれず、暮らしとのかかわりが薄れ、荒れてしまっているところが多い。
この地域で育った、私と同年代の人たちの子ども時代の遊びを聞くと、森や昆虫などとの親密な関係がうかがいしれて、羨ましく思うことが多い。しかし、その子ども世代の遊びは、森との関わりが切れてしまって、都会育ちの子どもの遊びとあまり違わない。
森とのつきあいがなくとも暮らしていけるようになり、すっかり「無関心」になっているかのようだ。
一方、私のような新参者たちは、森にあこがれて移り住んできたが、どう関わったらいいのか、いまだ模索中といったところだ。中には木1本伐採することすら「自然破壊!」と、目をつり上げる人すらいる。
「全国雑木林会議」を準備する人たちから、「人」と「森」との「いいかげん」なつきあい方を学びたいと思う。
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# by mesonbox1 | 2003-01-06 18:02

ホームページのスタートにあたって

琵琶湖と比良山脈にかこまれた森の中に、[メソン]はあります。
この一帯は人と自然との共有空間として、あるいは、人を排除しようとする自然と人間の暮らしとの[はざかい]の場所・里山と呼ばれる地域です。
わたしたちは、この場所で[メソン]という表現をとおして、この時代を見つめ直していきたいと考えています。
[メソン]を訪れていただくみなさんに、この場がもつ風を感じていただきたいと願っています。
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# by mesonbox1 | 2002-12-15 18:02

比良山麓の森にある オーベルジュメソンのオーナー日誌


by mesonbox1
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